TRACK 05.宇宙クジラは土星の輪で踊る Vocal,Lyrics:深水チエ

百年と十日の果て
ぼくらはガラス越し語らう

目覚めてたどりついた
遊覧する土星の環には
しずむような
たゆたうような
羊飼いたちの声が響く
パンドラ プロメテウス
ぼくは探しにきたんだ
うたうクジラの泳ぐ海


王さまはふとテミスの秘密を囁いた
そうして小さな航路図を授かり
ぼくは旅に出たんだ
星の嵐裂いて 粒子の風浴びて 間隙の波まで
乗り越えて

操舵輪握りしめて
機械の鳥と探すのさ
隠れたスポーク ボイジャーのかけら
宇宙をわたる幾億のいのち
さまよいためらい
ぼくのなか叫ぶ音
そしてクジラの影を見る

だれも知らない磁力が
ぼくの手を引き寄せていくんだ


ひとりきり残されてた
灰色の街の記憶
ごめんねと泣いてたあの子まで

知りたかった
あの子の泣いた理由
どうかぼくの壊れた古い古いAIで
学習したいんだ いつか


錆びつくこの心臓で
最後に踏みしめた世界
いのるような
ことほぐような
かすかな歌をぼくは聞くんだ
パンドラ プロメテウス
あの子まで伝えてよ
ここはクジラの泳ぐ海

ぼくのこころ注ぐ雨